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ヤァ、ヤァ、ヤァ、シンギュラリティーかがやってくる !? チューリングの夢。⑤
2018-02-13 Tue 07:00
アラン・チューリング(*)。

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Credit:https://kpfa.org/episode/letters-and-politics-may-7-2015/

稀代の大天才。悲運のヒーロー。変人のゲイ。そして、現代コンピューターの父。

彼には様々な称号があるが、天才であったことは間違いない。

イギリス・ロンドンに生まれたアランは、16歳の時にはすでに、アインシュタインの理論を理解していたと言われている。ケンブリッジ大学キングスカレッジに進学後には、3年でフェロー(特別研究員)に選任された。

この時、チューリングは、のちのコンピューターや人工知能の原理に繋がる重要な論文を発表している。『計算可能数について-決定問題への応用』である。

正直に言って、ぼくごときがとても理解できる内容ではないが、重要なのは、この論文の思想をもとに想定される仮想計算機、万能チューリングマシンが、実現可能であることをことを証明したことだ。

しかし、チューリングマシンが現実につくられることはなかった。

その実現の前に、より実用的なコンピュータ、ノイマン型と呼ばれているコンピュータが開発され、それが現在使われているコンピュータの原型になったからだ。

では、チューリングマシンはそれほど重要なものではないではないか、、と思われる方もおられるかもしれないが、そうではない。

すべては゛思想゛の問題である。彼の発想こそが、現代のコンピュータという概念の原点であり、それは人工知能の発想の素とさえなっている。現代コンピュータの設計思想は人工知能も含め、このチューリングの思想に集約されると言っても過言ではない。

時代はちょうど、第2次世界大戦に入る。前回書いたように、連合軍は、ヒトラー・ドイツが開発した暗号機『エニグマ』に手を焼いていた。

解読不可能とも思われたの暗号機解読のため、国中のの天才が、バーミンガムのブレッチリーパークに設置された政府暗号学校に集められた。その中には、無論チューリングの姿があった。

やがて苦闘の末、チューリングのチームは暗号解読機『ボンブ(bombe)』の開発に成功する。

しかもこの『ボンブ』は、ただものではなかった。

それまでの暗号解読機は、一つの暗号機に対して、その機械専用に開発されたものだった。つまり、敵が、別の機械で送った暗号には対応できなかったのだ。

しかし、チューリングのボンブは違う。この機械には、アルゴリズムの原型とも言える思想が組み込まれていたのだ。つまり、回答を探すために片っ端から探るのではなく、いわば、あたりをつけながら回答を探す機能をもたせたのだ。

たとえば、あなたが目次のない辞書から、「プログラム」という言葉を探すとする。

始めの1ページ目から一語ずつ探していたら、莫大な時間がかかるだろう。でも、例えば、辞書の真ん中あたりを開いて、その前か後か、という判断を加えたらどうだろう。

真ん中より後ろであれば、その後ろ半分の真ん中を再び広げ、また判断する、これを5~6回程度繰り返せば、大体のところにたどり着くだろう。

これで、正解にたどり着くスピードは格段に上がるはずだ。アルゴリズムとはつまり、そういうことだ。

このシステムを組み込むことによって、チューリングのボンブは、単なるエニグマ解読器から、汎用解読器になった。実はこの『汎用』こそが今のコンピュータに繋がる重要な発想なのだ。

無論チューリングの功績はこれに留まらない。彼は、いずれチューリングマシン(つまりコンピュータ)は、知能を持つことになると、すでに予言していたのだ。

この話はまた次に。

(*)アラン・チューリング=彼を知るには『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』という映画がある。名作だと思います。



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